Excès, et Marges.

「余白への書き込み」

2015-01-01から1年間の記事一覧

他者と共に生きる

年末だ。近頃めっきりブログを更新しなくなったが、それにはいくつかの理由がある。 一つは修士論文の執筆作業に追われてまったく暇がなくなってしまったこと。二つ目は、そうした多忙の中、なんらかの事象を前にしてじっくりと分析をしたり、あるいは黙々と…

kamikaze

フランスで起きた同時多発テロ事件を受け、現地の各メディアはさかんに報道活動を行っているが、フランスでは一昔前から自爆テロを「kamikaze」と表現している。実際、Le mondeのホームページで「kamikaze」と検索すると今回の件に関する記事がいくつか引っ…

ミスについて

信頼を獲得するには以下の2つを守るようにすべし、とどこかで見たことがある。 大きなミスはしない 小さなミスは即座にリカバーする 僕もこの考えに概ね同意するが、これに加えて「ミスの頻度」を勘定に入れる必要があるように思う。つまり、同じ仕事を目の…

コストパフォーマンス

随分前の草稿だ。 ------------- 僕が大学院に進学したとき、「もっと勉強したい気持ちもあるけど、ウチはお金が無いから院進学はちょっと、、、」という声を度々耳にした。もちろん、金銭以外の理由があってのエクスキューズなのかもしれない。しかしながら…

『フラット化する世界』考

ジムに行く日は必ずエアロバイクを使って運動する。概ね一時間ほど漕ぎ続けるわけだが、なんの視覚的刺激もなしにひたすら単調な運動をするのはしんどいので、以前はiPadで動画を見ていた。見ている動画は概ねディスカバリー・チャンネルやナショナルジオグ…

非運動系の身体

就活が終わってから一ヶ月半、週3回ペースでトレーニングジムに通い、筋トレと有酸素運動を続けている。まだ一ヶ月なのであまり数値上の変化はないが、初心者にとっての運動の難しさがいくつか見えてきたように思う。総じて言えば、未だ運動に適した身体に…

デモと教条

今年は戦後70年*1だが、戦争の語り部が年々減少しているというニュースをちらほら見かけた。確かに僕自身、小学生の頃を思い出しても戦争の語り部の話を聞いたことはなかったはずだが、終戦を成人後に迎えた人なら、今や若くても95歳、当時であっても8…

価値観と幸福

「シロガネーゼ」が「おひとり妻」となる理由 別に日経ビジネスオンラインの記事をうのみにするつもりはないが、一方で未だ将来の配偶者を年収で足切りする人は多いようだ。僕としては、そういう人がどのように恋人の年収を聞き出すのかが気になるところであ…

文系院生のための就活マニュアル:結論・補遺編

数回にわたって長々と書いてきた就活体験記も本稿が最終回となります。このエントリでは結論および今までのエントリの補遺を書きます。 結論 まず、何度か言及してきたことですが、就活マニュアルと題し今まで書いてきたことの中で一番重要なポイントを述べ…

文系院生のための就活マニュアル:GD・面接編

院生であれば、日頃の議論や発表を通じて、持論を筋道立てて話すことには慣れているのではないかと思います。その能力は就活で重要であるにもかかわらず、それがきちんとできる学生は少ないので、是非それを立脚点として論を展開するように心がけてください…

文系院生のための就活マニュアル:自己分析編②

前回のエントリでは理念的な部分を説明しました。本エントリでは、自分のアピールポイントを個別的なエントリーシートでどのように表現していくかについて書きます。 エントリーシート 前回のエントリに書いた作業を通じてある程度自己PRの材料が揃ったら、…

文系院生のための就活マニュアル:自己分析編①

多くの就活本が既に同様のことを書いていますが、就活における自己分析を定義するとすれば、それは「ESや面接においてアピールとなりうる自分の資質を見極め、それを裏付ける経験を棚卸しし、長所として簡潔にまとめ上げる作業」であると言えます。「自分の…

文系院生のための就活マニュアル:準備編②

3月1日までに、企業を分析するためのツールを身につけたら、就活の解禁とともに、実際に個別的な分析に移っていきましょう。主な作業としては次の2点があります。 説明会の参加・OB訪問 企業研究 主に説明会やOB訪問では主観的な印象を測るため、企業研究…

文系院生のための就活マニュアル:準備編①

まず、3月1日に就職活動が始まる前からできる準備について話します。誰にでもできる作業として具体的には次の3つが挙げられると思います。 ・読書 ・四季報による企業分析・筆記対策 順番に見ていきます。 読書 大前提として、個人が所属する学部で得られ…

文系院生のための就活マニュアル:スケジュール編

16卒の就職活動を取り巻く状況 本年度から就活が後ろ倒しになり、3月スタートになりました。面接は経団連の通告によれば8月以降のはずです。 私が学部生の時に就職活動をしたときは12月からエントリーが始まり、2月ことから個別説明会が開かれ、多くの企業が…

文系院生のための就活マニュアル:自己紹介編

文系院生の就職を取り巻く状況について述べた上で、私自身について軽く説明しておきます。 私は都内の某国公立大学の人文科学研究科修士課程に在籍する学生です。フランス文学専攻に在籍し、フランス現代思想を研究しています。 6月上旬に民間の就職活動を…

文系院生のための就活マニュアル

目次 総論編(本エントリ) 自己紹介編 スケジュール編 準備編① 準備編② 自己分析編① 自己分析編② 面接・GD編 結論・補遺編 はじめに 一般に、文系院生の就活は非常に厳しいと言われます。 昨今話題になっていますが、人文学に対する「非実学的で社会に出て…

就活

私は某国公立大学院の人文科学研究科修士2年次に在籍していますが、ここ最近ずっと就職活動を行っていました。 その結果、先日無事内定を頂いたので、今日からその体験をまとめようかなと思います。

ブログを書くことについて

かつてmixiというSNSが大流行した。当時高校生だった僕もよく日記を書いていた。 月日は流れ、mixiを今でもやっている、という同年代の人間はあまり知らないが、僕は昔と大して変わらないような文体でこうしてブログを書いている。ブログを書いている知り合…

礼節

僕は生まれてこの方一度も体育会系の団体に所属したことがない。にもかかわらず、割りと体育会系脳なところがあって、後輩に強制しないが、礼儀作法には気を使っているほうだと自負している(とはいえ、生来の気の利かなさが災いしてトータルではプラマイゼ…

LGBTに関する諸主張について

同性婚の次は近親婚?ドイツ政府の倫理委員会が兄妹婚の合法化に賛成 同性婚に引き続き近親婚の合法化運動もさかんに行われているらしい。 僕個人はLGBT含む性的マイノリティや恋愛の自由に関してかなりニュートラルな考えをキープしていると思っている。加…

美容整形

以前、友人と「美容整形は許容されるか」という議論を行ったことがある。例えば、美容整形をした事実を隠匿して結婚することは道義上許されるか、逆に配偶者の美容整形を理由に婚約を解消することは許されるか、といった議論である。 仮に美容整形を「審美的…

先日、口癖や表現についてエントリを書いた。偉そうなことを書いておいてなんだが、僕は口癖が多いし、人の口癖にものすごく影響を受けやすい。話し方は最近、オードリーの若林に似てきたように思うし、笑い方は現在渡仏中の先輩に似ているなと思う。 話は変…

文体

小説形態素解析CGIというものがある。文章を貼り付けると文体を解析してくれるツールで、今回はこのブログのエントリから無作為に文章を貼り付けて分析にかけた。このブログは小説ではなく随筆なので、親和性のない項目もあるが、どのような文体でものを書い…

「中学生レベル」の知識

小中学生レベルの問題を芸能人にやらせて、その出来なさを嗤うクイズ番組は沢山ある。優勝劣敗、試験の点数の出来で人間性までをも否定するような態度は日本の教育制度が生んだ悪しき慣習だと僕は思っている。もちろん、日本社会で生きる以上、兼ね備えてい…

人文学に関する議論

「人文学は役に立つか」という問いがにわかに紛糾している。若手の研究者や院生がツイッターで議論しているが、まずは問いを明確にしないことには議論も平行線をたどると思う(ツイッターでの議論において一番問題となるのはこうした前提の整理だと僕は考え…

10kg

ダイエットを志したのが昨年の8月あたりだったか、ようやく10kg減を達成した。なかなか感慨深い。 減り方としては以下のとおり。 ①8〜10月:とにかく空腹に慣れる。外食はサブウェイ。カロリーの基礎を知る。 ここまでで3kgくらい減る。とりあえず…

気になる表現

最近ゼミなどで学生の発表を聞くことが多い。そのなかで気になる日本語の表現がいくつかある。学部生のころと違って、もう僕も良い年なのでこういうことをとやかく言うとジェネレーションの問題で片付けられてしまいそうで嫌ではあるが、自戒の意味も込めて…

現代アートに関して思うところ(再掲)

精神的にいよいよ余裕がない。こういうときは意見を表明することが重荷になる。 とりあえず、何年も昔に書いた現代アートについての考察を再掲してお茶を濁すことにする。いま見てみるとまあ何を偉そうにと思わされるが、基本的にサブカル的な「現代アート」…

ドグマと見せかけの狂気

今も昔も変わらず、僕は理性からの逃避を嫌悪している。 僕はかなりナイーヴに知性の力を信用している方だと思う。それは多分、理詰めで考えるより効用をもたらす能力を僕がまるで持っていないことによるのだろう。つまり生まれつき記憶力が良かったり、要領…