Excès, et Marges.

「余白への書き込み」

文系院生のための就活マニュアル:スケジュール編

 

16卒の就職活動を取り巻く状況

 

本年度から就活が後ろ倒しになり、3月スタートになりました。面接は経団連の通告によれば8月以降のはずです。

私が学部生の時に就職活動をしたときは12月からエントリーが始まり、2月ことから個別説明会が開かれ、多くの企業が面接を4月から始めていました。

しかしながら、現状、ほとんどの企業が8月開始を守っていません。5月後半には個別説明会を終了し、エントリを打ち切る企業も多数ありました。どうやら4月5月に内定をだす企業も多いようです。

ということは、後ろ倒しにともない、3月からエントリーが始まるにもかかわらず、選考に必要なプロセスがほぼ同時にスタートするという状況になったということです。これは学生にとってかなり不利な状況と言わざるを得ません。3月から就活をスタートしていては選考に参加するための準備が間に合わない可能性があります。自分でできる準備は早いうちにすませておくべきでしょう。

ただし、一部優秀かつ洞察力ある学生を除き、全員が全員そのようなスタートダッシュをきることができるわけではない、というのが遅れてスタートした人間の感想です。誰だって暗中模索で就活を始めます。業界研究もままならない状態で3月にエントリーシートを出し、4月に面接を受け始め、そのような状況で優良企業から首尾よく内定をもらうなんて芸当は、簡単にできるものではありません。企業にとってもそれは同じで、優秀な学生を囲い込んだとしても、引く手あまたの学生がたった1つ内定が出たからといって、その場で就活をやめるとは限りません。事実、早めにエントリーを打ち切った企業が7月になって後期募集と称して新卒採用をシレッと再開するパターンもよく見受けられます。まともな選考のプロセスというのは、企業と学生が相互に就活のレールに乗ってからはじめて成立するものだからです。稲のないところで青田刈りはできません。

企業としても今回の後ろ倒しは本懐ではありませんし、対応を強いられ少なからず混乱しています。周囲の動向をみながら採用活動に慎重になっています。来年以降どうなるかはわかりませんが、多少出遅れたからといって致命傷にはなりえないというのが私の感想です。もちろん、遅れてスタートするメリットはほぼ無いですし、有限かつ貴重な時間を大いに意識するべきだと思いますが。

 

 

スケジュールについて

 

こうした状況を踏まえ、私は理想的な就活のスケジュールを次のように提示します。

 

・(M1夏休み):インターン
・1〜2月:おおまかな業界・企業研究、説明会に行く企業のリストアップ、自己分析、職種研究
・2月後半:筆記対策
・3月:説明会参加、ES提出
・4月以降:順次面接

 

院生の場合、研究活動が半年近くストップすることになります。私の場合は、読書会の参加などを除き、ほとんど研究は放置状態でした。このあたりは指導教官の理解や、自身の研究への思いなど、考慮すべき点が個人によって異なるため、早いうちにどのようなスケジュールで就職活動を行うか考えておいたほうが良いでしょう。参考までに、私のスケジュールは以下のとおりでした。

 

・〜5月末:公務員試験勉強

・6月上旬:四季報で優良企業をリストアップ、募集を行っているところにエントリー、順次説明会参加

・6月末:ES提出、順次面接

・8月初頭:内定

 

公務員試験には教養科目があり、数的処理の問題があります。私は得意ではありませんでしたが、民間のSPIに出てくる問題は苦労せず解けるようになっていました。ですので民間の筆記対策はしていませんし、たとえ分からない問題が出たとしても自分以外も解けないだろうという心持ちで臨んでいました。実際、筆記が落ちたことはありません。

また、学部時代に就活をしていたため、ある程度業界のアタリがついていたこと、迷わずBtoBのメーカーだけしか志望しなかったこともあって、短期間でもなんとか就活を終えられたところがあります。それでも6月の一ヶ月だけで50社近くの説明会に回ることになりました。もちろんその間、学業はほぼ完全無視です。

では次回から、スケジュールに沿って具体的な作業を見ていくことにします。