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Excès, et Marges.

「余白への書き込み」

ムヒカ大統領のスピーチ

昨日のエントリではかなり無批判的に「資源が有限である」という前提を用いた。21世紀以降の世界情勢を鑑みるにとりだてて立証することは不要であると思うが、一歩踏み込んだ議論としては、2012年にリオで行われた国連持続可能な開発会議におけるウルグアイのムヒカ大統領のスピーチが非常に明快かつ優れた考察であるといえる。問題なく読めるレベルの英語字幕がつけられているが、日本語訳も探せばあるだろう。

彼は環境問題を資源の有限性による問題ではなく、政治経済による問題であることを見抜いている。政治経済のグローバル化は資源を蕩尽する社会を生み出し、我々をコントロールし始めているということ、発展が幸福の阻害となってはならないことを強調している。

当然のことながら、今までの消費を維持するにはエネルギーが足りないから代替エネルギーを探そう、という発想は本質的な解決をもたらさない。暴飲暴食を続け疲弊した胃腸は、生活習慣を改めなければ治癒しないのと同様である。

もちろんこのような議論はそこまで目新しいものではない。このスピーチが哲学者、文学者のものであればさほど注目されないかもしれない。しかしながらこれは一国の大統領によって、先進国の首脳が参加する国際会議においてなされたスピーチである。いまだかつてこのような、至極まっとうでありながら本質的な疑問が政治の領域において提示されたことがあっただろうか。